最近のコアラのマーチのパッケージは、情報量がいっぱいだ。
開けてすぐに食べて箱を捨ててしまう人は、気づいていないかもしれないと思って、これを書く。
まず、8面体に近い形のコアラのマーチの箱を、がしっと掴んでくるっと回すと、という、ものすごくてきとうな説明だけど……
「温めてもおいしい 冬の コアラのマーチ♪」と題して、要するに電子レンジで温めるとおいしいということがイラスト付きで細かく書かれている。
「冬のコアラのマーチ 焦がしミルク」味を電子レンジでチンすると、『なるほど、焦がした味がする』と納得できるのでおすすめ。
次が、複雑なので写真付きで説明。
わたしは「友達ひみつメモ」を集めている。
集めていないどころか「友達ひみつメモ」とはなんぞや、どこに付いているのか、と気づいていない人も多いんじゃないかと思う。
ここ。
「ハコのソコのベロに友達ひみつメモがあるよ!」
と、開け口のある上の面で、コアラがビックリマーク付きでうったえかけてきている場所はここで、べろーんとわたしがはがした後のある紙と、一度切り取ったのに元々あった場所に置いて撮影したコアラのイラストが付いた紙。
これやこれが「ハコのソコのベロ」。
このベロに書かれた文字は、読むとなかなかおもしろい。
だから集めている。
たとえば今回食べたコアラのマーチに付いていたのはこれ。
ともコアラナンバー156
からてコアラ
スポーツ運(うん)☆☆☆
運に送り仮名が付いているあたり、さすが子ども思いだ。
<ひみつメモ>ふゆもまけずに
ねっけつケイコ!「からだをうごかしてあたたかくなろう!!」
とマーチくんをさそっているよ!
最後の「とマーチくんをさそっているよ!」を読んだとき、「ん?」となった。
わざわざ「ハコのソコのベロ」を開けたからには「やぁ!こんにちは。ぼくはからてコアラといって」と、親しげにわたしに話しかけてくるものかと思っていた。
ところが、「からてコアラってやつがどこか遠くに佇んでいるよ」くらいの光景をイメージする距離感だ。
納得がいかず、首を傾げながら何度か読み返した。
そのうちに無理やり納得するために、こういった理屈を考えた。
マーチくんという主人公の私生活をもっともっと知りたいわたしたちコアラのマーチ購入者が、「ハコのソコのベロ」に描かれたマーチくんの友達の証言をもとに、手探りで彼のことを知っていく、そういった……ちまちましたゲームなんじゃないか!?これは。
そう考えると、前に買ったコアラのマーチに付いていてわたしが一番気に入っているあみものコアラの文面も、今までと違ったかたちで読める。
ともコアラナンバー121
あみものコアラ
おこづかい運(うん)☆☆☆
<ひみつメモ>ふゆはとくいのあみもの
がだいかつやく!恋(こ)い焦(こ)がれる
おち葉(ば)あつめコアラにあたたかい
ものをあんであげたい!
ここでいう「コアラ」とは、きっとマーチくんのことだ!
間違ってもからてコアラのことじゃない。
からてコアラは、「からだをうごかしてあたたかく」なるのがポリシーだから防寒具を必要としていない。
ところで、わたしがあみものコアラのカードを気に入っている理由は、言うまでもなく詩的だからだ。
あみものコアラが、恋い焦がれるコアラのために落ち葉を集めるときには、なるべく茶色っぽくない赤い葉を選ぶのだろう。